銭湯と温泉の違い

近年、温泉はさまざまなテレビ番組で報道されており、皆さんもご存じでしょう。
温泉の他に似ていますが、銭湯と言う日本独特のお風呂があります。
最初に着ている物を脱ぎ、裸で大きな浴槽に入る点では両者はとても似ていますが、大きな違いとしては、温泉が基本的には自然によって作られたものであるのに対して、銭湯は人工的な公衆浴場であることが挙げられます。
すなわち温泉は地下からのマグマ、天然ガスによって自然に水が暖められ、地上に噴き出たものですが、銭湯は普通の水道水をまきや都市ガスによって温めた人工の浴場です。
昔は今のように各家にお風呂が無かったので、近所に住む人々が外の銭湯を利用していました。
現在は各家庭にお風呂、シャワーが付いていますので、銭湯の数は激減しましたが、未だに昔ながらの銭湯がごくわずかですが残っています。
ここではもう少し詳しく銭湯について説明したうえで、銭湯・温泉の気を付けなければならない入りかた、マナーについて説明いたします。
銭湯について

上は昔ながらの懐かしい銭湯の写真です。お風呂の壁には、なぜか富士山の絵が描かれていました。
庶民の文化
銭湯は単なる体の汚れを落とすだけ場所ではなく、庶民の社交の場
江戸時代の多くの絵図にも銭湯に浸かる人々の様子が描かれているように、銭湯は古くからある日本の庶民文化の一つでした。
そこではお互いの背中を流したり、入浴の後では世間話を楽しむ、近所付き合いの場でもありました。小さな子供から老人まで、まるで一つの家族のように体を洗っていたのです。
数少なくなったとは言え、今でも東京の下町には昔ながらの銭湯が存在します。
そこで銭湯の入り方ですが、左の写真のように履物を入れる下駄箱があります。靴は開いている場所であればどこに入れても問題ありません。古くからの銭湯では鍵は木で出来ており、靴を入れてからドアを閉じ、木を引き抜くと鍵が掛かる仕組みです。
鍵には番号が振ってありますので、帰る際には木の札を自分の番号のロッカーに差し込んで開けてください。
銭湯の入り口は男性用(男湯)と女性用(女湯)の二つに分かれていますので、入り口を間違えないようにご注意ください。
扉を開けると、男性用と女性用の仕切りの中間にスタッフが座っており、そこで入浴料金を払います。
シャンプーやせっけん、タオル等もそこで購入できますので、手ぶらで行っても問題ありません。
入浴料金は大人460円(12歳以上)/子供(6歳-12歳まで)180円/6歳以下は80円です(2017年1月現在)
次に脱衣所がありますので、そこで着ている服を脱ぎ開いているロッカーに入れます。下着も全て脱いでから中の洗い場に入ります。その際、手ぬぐいは一緒に持っていきましょう。
*水着を着て入ることは出来ませんのでご注意ください。
銭湯・温泉でのマナー
あまり堅苦しく考える必要はありませんが、銭湯・温泉に入る際のマナーについてご説明いたします。
湯船にて (汚さない)

言うまでもなく、温泉も銭湯も大勢の人が利用する公共の施設です。
一番に気を付けなければならないことは、洗い場、浴槽を汚さないことです。
【かけ湯】
かけ湯とは最初に浴槽に入る前に体にお湯をかけ(特に汚れやすい足、股間に)、体を予め綺麗にする事です。いきなり体を洗わずに浴槽に入ることはマナー違反です。
またこのかけ湯には冷えた体を徐々に慣らすという意味もあります。急に熱いお湯に入ると血圧が急上昇するため特に高血圧の方にはよくありません。
【タオルを湯船に入れない】
一見きれいなタオルにも雑菌が付いておりお湯が汚れてしまいます。基本的にタオルや水着着用は禁止されています。湯船に入っている人は頭の上にタオルを載せている事が多いです。
【湯船内で体をこすらない】
湯船の中で垢すりをしているようで、周囲の人は不潔に感じます。垢すりは洗い場で行い、身体の汚れを落としてから湯船に入るようにしましょう。
【汗を流してから浴槽へ】
銭湯ではサウナが併設されている場所もあります。サウナで大量の汗をかいた場合は、湯船に入る前にかけ湯をしてから入るようにしましょう。
これはマナーではありませんが、あまり長く湯船に浸かっているとのぼせることがありますので、ご注意ください。こまめに休息や水分補給をする事が大事です。
洗い場にて

【他の人に水が掛からないように】
洗面器でお湯をかぶるとき、シャワーを使うとき、周りに他の人がいませんか?
他人が体を流した水しぶきが掛かるのはとても不潔に感じられるため、これもマナー違反になります。
立ったままシャワーを使いたくなる気持ちは分かりますが、隣に座っている人、後ろにいる人など、、他の人に水しぶきが掛からないように気を付けましょう。
【使用したものは元の位置に戻す】
洗面器、椅子など使ったものは湯で流し、きれいにしましょう。またゴミなどは置きっぱなしにしないように気を付けましょう。
【洗い場から脱衣所に戻る際】
洗い場から脱衣所に戻るときは、予めタオルで肌に着いた水分を拭き取りましょう。
そのまま何もせず脱衣所に戻ると、脱衣所の床は濡れ、不潔な感じですし、なにより床が濡れて滑ることもありますので危険です。
【洗い場で洗濯をしない】
洗い場はあくまでも身体を洗う場所ですので、一度履いた下着などを洗濯してはいけません。
他にも大声で話さない、小さな子供がいる場合は走り回らないように注意する、、などあります。
子供は大きなお風呂ではしゃぎたくなるのは分かりますが、親が注意しないと滑って転んで事故につながるケースがありますので、特に注意です。
色々書いてきましたが、基本は不特定多数の人が利用する場所ですので、他の人が不快になるような事(特に不潔に感じられること)をしないように気を付けることが一番大切です。